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忘れっぽいです

『ザ・レイド GOKUDO』

・『ザ・レイド GOKUDO
http://theraid-gokudo.jp

原題 "The Raid 2: Berandal"
監督、脚本、編集:ギャレス・エヴァンス(『ザ・レイド』)
出演:イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン、松田龍平、遠藤憲一、北村一輝



前作『ザ・レイド』は、アクション映画の最新型にして、早くも金字塔となった感すらある、傑作です。
そんな映画の続編を安易に作ってしまえば、アクション増し増しだけど何の新鮮味も無い、ファン・サービスで終わる一作になっていたでしょうが、本作『ザ・レイド GOKUDO』は違いました。


前作の生活感あふれるスラム街ビルと打って変わって、今回の舞台は、極度に象徴化されたヤクザ/マフィア・ノワールの世界。現実感を捨て、様式美を重視した映像の中に、前作の主人公(とマッド・ドッグ)をブチ込んでしまった、とても挑戦的な続編です。様式美の中で過度なバイオレンスを展開させる世界観は、ニコラス・W・レフン監督の『オンリー・ゴッド』と近しい物があります。

しかし、世界観が近いとはいえ、概念的な世界観で概念的な物語を展開する『オンリー・ゴッド』と違い、『ザ・レイド GOKUDO』は、概念的な世界観でモノ凄く分かりやすい物語を展開してくれます(シュールな世界の中で直球ストーリーをやってしまう、という点で言えば、むしろホドロフスキー映画にこそ近いのかもしれません)。


シュールな映画は「登場人物が何したいのか分からん」という状況になりがちですが、本作はストーリーがシンプルなので、登場人物たちの行動動機もキチンと理解できます。観客は彼らの戦う理由を知っているから、アクション・シーンも燃えます。

しかもアクションをするのは前作同様、凄まじい連中なワケで。


ストーリーはシンプルだけど、様式美の中で様式美に満ちたアクションをしてイマイチ映画になった『キル・ビル vol.1』と違い、アクション・シーンをしっかり身体的に構成しているのも本作の良い所。

今回は特に、予備動作の見せ方が本当に上手い。人物が立ち上がる直前に、踏ん張る足のクローズアップをチラッと差し込んで、観客までも映像と同じタイミングで力ませてしまう。余程の手練れでなければ出来ない演出です。


映像設計と、映像の身体性。この二つを洗練された形で併せ持つアクション映画なんて、そうそうお目にかかれません。
映像設計だけならニコラス・W・レフン作品や『007 スカイフォール』も凄いけどフィジカルでは見劣りするし、ジョニー・トーや香港時代のジョン・ウーはそこまで洗練されていないし。ギャレス・エヴァンス監督は、替えのきかない得難い才能になりそうな気がします。今後も楽しみ。
[ 2015/01/16 22:29 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)
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Author:かりふら