メモ

忘れっぽいです

『ハミングバード』『そこのみにて光輝く』『トカレフ』

・『ハミングバード
http://www.hummingbird-movie.jp

監督、脚本:スティーヴン・ナイト(『堕天使のパスポート』『イースタン・プロミス』脚本)
撮影:クリス・メンゲス(『堕天使のパスポート』『愛を読むひと』)
出演:ジェイソン・ステイサム、アガタ・ブゼク



個人的に、今年のアクション俳優映画のベストになるかも。凄く、凄く好きです。


路上生活者が偶然逃げ込んだのは、金持ち家主が長期出張で不在のマンション。そこで身なりを整え、かつて軍で鍛えた腕っぷしを武器に闇社会を成り上がりつつ、世話になった路上生活者を探したり、食事を恵んだり。
そんな導入はとても興味深く、ヒロインのカタブツ眼鏡っ娘シスターは超キュート(バレエ公演のチケットを買いに馳せ参じるウキウキな仕草、萌える)。

しかしやがて、彼らの持つ罪や、逃れようのない悲しみが明らかになっていきます。
過去は変えられない。ならば、過去と向き合う自分を変えるしかない。
彼らが追いすがってきた物、よすがとしてきた物、全てとの決着をつける、運命の10月1日。『ローマの休日』のように愛らしく、『タクシードライバー』のように悲しい一日がやってきます。


昨年の、小説「悪党パーカー」シリーズの正統派映画化にして大傑作『PARKER パーカー』こそ、ジェイソン・ステイサム主演最高傑作である。と、思っておりましたが、本作『ハミングバード』は更に上を行く傑作でした。

友情以上恋人未満な不器用ロマンスを軽〜く味付けながらも、基本あくまで苦く哀しいハードボイルドなフィルム・ノワール。10月1日のシークエンスは、幸せなシーンすら胸を鷲掴みにされるほどの切なさを湛えており、ひたすら泣けました。

シュワルツェネッガー『ラストスタンド』、成龍『ポリス・ストーリー/レジェンド』に続く、キャリアを積んだアクション俳優が新境地を切り開いた系の傑作。こういう良心作が作られていくのを見ると、スタローンが『ロッキー・ザ・ファイナル』『ランボー 最後の戦場』で撒いた種が、美しく花を咲かせているようで、また泣けるっす。



・『そこのみにて光輝く
http://hikarikagayaku.jp

監督:呉美保
出演:綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉



マンガであれば、例えば背景の描写を省いて主人公とヒロインを容易に「二人の世界」に閉じこめる事が出来ますが、この映画はその場の匂いすら感じさせるくらい丁寧に背景を描きながら「二人の世界」をやってしまうので、画面に映り込まない周囲のリアクションなんかが気になって仕方がない。僕は、集中力を削がれるので、あまり好みではない演出スタイルです。

にも関わらず、菅田将暉の演技があんまりにも良いので、楽しく最後まで見る事が出来ました。彼の出演部分だけ抜き出して、もっかい見たいくらい。たった一人の演技にここまで惹き付けられるのは、『十三人の刺客』の稲垣吾郎以来でしょうか。仮面ライダーWのフィリップが、こんなに良い役者だったなんて。主演作の『共喰い』も見ないとなー。
どろりとしたお話の最後に、美しい上澄みを掬い取ったかの如き笑顔を見せる池脇千鶴も、とても良かったです。ただ、綾野剛は、どうかなー。イイ男すぎやしないかなー。



・『トカレフ
http://tokarev-movie.com

監督:パコ・カベサス
出演:ニコラス・ケイジ、ダニー・グローヴァー、パシャ・リチニコフ



ポリスストーリー』『ハミングバード』と、昨日から見たアクション系映画がことごとく傑作だったのに、ニコケイ新作まで傑作だったら幸せ過ぎてどうしよう、と思っていましたが、クソ映画で安心しました。

負の連鎖をジャッキーが食い止めようと足掻く『ポリスストーリー レジェンド』とは正反対に、『トカレフ』のニコラス・ケイジはひたすら、勝手に自分の古傷をえぐって、勝手に傷を広げて、ついでに周りの人間も不幸のスパイラルに巻き込んでいきます。ヒトコトで言って「こいつサイテー」な主人公で、実に良い感じです。


物語が酷いだけなら笑って見ていられますが、映像面が酷くなると、僕は笑えません。

走って追いかけっこシーンや殴り合いシーンになると、スピード感を出すために、1.2倍速に早送りしたような、1秒につき6フレームくらい抜けてそうなチャカチャカした映像になります。
こういう編集は、俳優たちの演技を蔑ろにしているようで、僕は好きではありません。それでいて、感情表現が重要なシーンは、俳優のアップに任せっぱなし。演出作法に誠意が感じられなくて、醜いです。
[ 2014/06/08 06:07 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)
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Author:かりふら