メモ

忘れっぽいです

『ペコロスの母に会いに行く』

ペコロスの母に会いに行く
http://pecoross.jp

監督:森崎東(『喜劇 女は度胸』『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』)
出演:岩松了、赤木春恵



原作漫画の終盤、認知症の進んだ母の周りに、母の生きてきた全ての時間と、生死を問わず出会ってきた全ての人々が、現れては消えていく。前のコマでは新婚時代の姿だった母が、次のコマでは幼い子供の姿になっていたりと、4コマの淡々としたコマ割りの中でダイナミックに咲き乱れる母の一代記を、映画ではどう表現するのか、楽しみにしていました。

他の映画で言うなら『この空の花 長岡花火物語』の様な、僕のMADで言うならLudovico Techniqueの様な

混沌に次ぐ混沌の映像世界が展開されたら(僕好みの表現なので)嬉しいなーと思っていたら、見事な形で裏切られました。洗練を究めたフィックスのワンショット、ほとんど静止画の様なショットに全てを込めてしまうとは。その凄みに「うおぉ」とちょっと声出ちゃうくらい驚くと共に、感動で嗚咽してしまいました。エンドクレジット終わっても涙止まらなかった。


とはいえ基本は喜劇、笑えます。二度でも三度でも同じ事を繰り返す認知症は笑いと相性が良く、おばちゃん観客が多い客層も手伝って、客席にも笑いが起こっていました。しかし繰り返しから起きる「行為の反復とズレ」は(小津映画の評論で散々言われているように)同じように見えた日常が実は決定的に変化している事の示唆でもある訳で、僕は笑えるシーンでも勝手に涙ぐんで見たりしていました。つーか原作に思い入れあるとトンビが飛んでるだけで泣けちゃうのよねぇ。

赤木春恵のパーフェクトな認知症推移表現、誰もがグッと来るであろう原田知世の使い方など、役者陣も良いです。特撮好きには長澤奈央の登場が嬉しい、そして見た人は分かるだろうけど、羨ましい。
[ 2013/11/16 20:40 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)
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Author:かりふら