メモ

忘れっぽいです

『魔女の宅急便』『ジョバンニの島』

・『魔女の宅急便
http://www.majotaku.jp

監督:清水崇(『呪怨』)
脚本:清水崇、奥寺佐渡子(『八日目の蝉』『おおかみこどもの雨と雪』)
出演:小芝風花、尾野真千子、宮沢りえ、寿美菜子



原作と、ではなく、ジブリ版と比較されてしまうのが、何とも悲しい実写版。ジブリ版は宮崎駿脚本だけあって当然、原作とかなり相違があるのですが、今回の実写版では、アニメが描かなかった原作要素とオリジナル要素を組み合わせて、ドラマを構築しております。
映画としては正直、酷くもなく、良くもなく、という感じでしょうか。
アイドル映画としては最高でした。

話の整合性より、見せたいビジュアルやシーンを優先していく方向性はとても好ましかったです。それが上手く行けば、それこそ劇中で何度も使われる「魔法」という言葉に相応しい、映画の魔法に満ちた作品になります。
ただ、残念ながら、演出も台詞もVFXも、技術面が意欲に全く追いついていないのでどうしても「陳腐」なシーンが増えていき、映画としてはイマイチな仕上がりに。

しかしアイドル映画としては、小芝風花の魅力全開で、大変に上等な出来でした。
ジブリ版同様かぼちゃパンツ見せまくるし、急に飛べなくなって落ちる時はホンキで痛々しいし、キメとなる「笑い顔」の説得力も素晴らしい。髪形も、原作の挿絵を思わせるザクザク感が嬉しい。VFXの稚拙さのせいで空飛ぶシーンはどうしても違和感が前に出てしまうのですが、VFXを使わないシーンは本当に良い。特に「影遊び」は、映画的なきらめきがあって、素直に感動しました。

他の演者も良い仕事をしておられました。尾野真千子は何やっても凄いなホント。ただ、寿美菜子のジジは、あんまり面白味出せてなかった。あまり印象的なセリフの無い映画だから声だけの出演だと厳しいですね。



・『ジョバンニの島
http://wwws.warnerbros.co.jp/giovanni/

監督:西久保瑞穂
脚本:杉田成道、櫻井圭記
出演:横山幸汰、谷合純矢、仲間由紀恵、ユースケ・サンタマリア、北島三郎



これは、今年のアニメ映画ベストになるかもしれない。

アニメ映画だから出来る、大胆な構図やデフォルメを最大限活かしたストーリーテリング。
映画が辛気臭くならないよう常に道化役を配置する軽やかな演出(予告だけ見ると重苦しそうだけど、実際はそんなコト全く無いのです)。
悲壮感を(そしてもちろんイデオロギーも)押し付けない適切な距離感。
一切、妥協や打算が感じられない見事な俳優陣の演技。
そしてあまりにも魅力的な、今年のベスト映画ヒロイン候補、ターニャ。

これだけ役が揃ってたら、余裕で役満だというのに、更に、主題が、僕の大好きな「物語の力」だったりするのだから、もう完璧です。
弱者が「物語」という優しい嘘に寄り掛かる、支えられる、救われる。『ウルトラマンサーガ』しかり、『オーガストウォーズ』しかり。そういう話に、僕は弱いのです。
しかもその「物語」が『銀河鉄道の夜』。宮澤賢治にはそれなりの思い入れがあるので、迂闊に使われたら憤慨しますが、本作での使い方は実に上手かった。まんまと泣かされました。若干、設定上の疑問はありますが、映画の評価を落とす程の物でありません。

唯一評価を落とすのは、カット終わりにフェードアウト使いすぎな点。しょっちゅうフェードアウトするので、本当に効果的なポイントでのフェードアウトが活きてないのが勿体なかったです。
あと宣伝方針も予告編も酷くて勿体ないね。


西久保瑞穂監督って、ディズニーリゾートのCMやってたのね。このCMに感動しちゃうタイプの人は『ジョバンニの島』を気に入るかも。僕は初めてこのCMを見たのがブルク13の好環境なスクリーンだった事もあって、ボロ泣きしました。
[ 2014/03/02 00:09 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)

『マチェーテ・キルズ』

・『マチェーテ・キルズ
http://www.finefilms.co.jp/machetekills/

監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、アンバー・ハード、カルロス・エステベス(チャーリー・シーン)、メル・ギブソン



前作が好きなら、キャラの立ってた連中がぞくぞく登場する同窓会感覚あふれる展開に、顔がほころぶと思います。『スパイキッズ』でおなじみのアレクサ・ヴェガが「キル・ジョイ」として『マチェーテ』ワールドに顔を見せてくれたのもポイント高し。

個人的には、新規参戦したアンバー・ハード(『ザ・ウォード』主演、『ドライブ・アングリー3D』ヒロイン、ジャンル映画エリートなフィルモグラフィーが素晴らしい)とミシェル・ロドリゲス姐の対戦が見られただけで割りと満足です。


とはいえ僕は、ロバート・ロドリゲス作品は『スパイキッズ』シリーズ以外はあまり買ってないので、今回も「まあ、それなり、、、」くらいの感じ。
ロバート・ロドリゲスって、ジャンル映画指向の割に突き抜けて来ないんですよね。低俗さ、雑さ、が映画の限界だとか常識を悠然と飛び越えてしまう(タランティーノの『デス・プルーフ』のラストみたいな)瞬間が、全くないので、あまりグッと来ない。
ただ今回は珍しく、クルマ屋に入った所でミシェル・ロドリゲスが唐突にインサートされる雑な編集に、トラッシュ映画的なゾクゾク感があって、そこはズバ抜けて良かったです。
[ 2014/03/03 21:19 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)

『スティーラーズ』

・『スティーラーズ
http://www.u-picc.com/stealers/

監督:ウェイン・クラマー
出演:ポール・ウォーカー、イライジャ・ウッド、マット・ディロン、ノーマン・リーダス、ブレンダン・フレイザー、ヴィンセント・ドノフリオ



一昔前のタランティーノっぽい(要するに『パルプ・フィクション』な)群像劇に、イーライ・ロスの暴力と、一昔前のコーエン兄弟の皮肉を混ぜ合わせたような、今更感あふれるストーリーテリング。
一昔前なら「スタイリッシュ」と言われたであろうチャカチャカ早回しや余計なエフェクトを多用した、今更感あふれるビジュアル。
見れば見るほどヘイトが溜まる、俺が嫌いな典型的駄目タランティーノ・フォロワー映画。

なのですが、リッチなキャスト陣が面白演技を連発してくれるおかげで、意外と最後まで楽しく見る事が出来ました。特に、『死霊のはらわた』シリーズのブルース・キャンベルばりに暴れるマット・ディロンが秀逸。
また、他のタランティーノ・フォロワー映画には無い、ジョン・ウォーターズ的バッド・テイストがうっすら染み付いているのも好印象。
映像面の酷さに目をつぶれば、『パルプ・フィクション』直系映画としては結構な良作だと思います。



・ちなみに、タランティーノ・フォロワー映画の最底辺を覗き見たい方には『キリング・ショット』がオススメです。

クソ会話を延々と繰り広げる『レザボア・ドッグス』+『パルプ・フィクション』の丸パクリ映画。90年代の映画ならまだ分かるけど、2011年製作でコレはキツイっす。



・上北ふたご先生の『ドキドキ!プリキュア』単行本発売。


アニメ版の最終決戦は蛇足、と思っている僕にとって、国王が元に戻る時点で決着がつく漫画版は理想の最終話でした。しかも、アニメではまず出来ないであろう物凄い展開をラストで見せてくれます。僕、予想だにしない地点まで飛躍する物語に弱いので、ポロッと泣いてしまいました。

ムック収録の番外編(一読した俺をありす派にさせた傑作話)まで、もれなく収録され、判型もA5判と大きめ。満足度高いです。
この調子で過去作、特に映画版S☆Sマンガ、出して欲しいなぁ。
[ 2014/03/07 13:27 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)

リディック ギャラクシー・バトル

・『リディック ギャラクシー・バトル
http://www.riddick-movie.jp

監督、脚本:デビッド・トゥーヒー
出演:ヴィン・ディーゼル



リディックシリーズ三作目。

前作『リディック』は全く面白いと思えませんでしたが、終わり方だけは良かった。ここから一体どんな続編が作られるのか、期待の膨らむ設定を提示してみせる見事なラストでした。


で、本作。驚きました。
前作で虐殺種族の王に成り上がったリディック様がダークなスペース・オペラを展開してくれるのかと思いきや、始まるのは辺境の地で犬っころと必死の殴り合い(余談だけど、リーアム・ニーソンvsオオカミな映画『ザ・グレイ』で見たかったのはこういう肉弾動物バトルなんだよ)。前作からの落差が凄い。
「前作の設定で作るのはムリっす」と言わんばかりに、早々に広げ過ぎた風呂敷をシリーズ一作目『ピッチ・ブラック』サイズに畳んでいく冒頭15分に顔がほころびました。実際、本作の方向性こそファンが望むリディックでしょうから、正しい判断だと思います。


以降はもう、見る人が見れば誰もが思うでしょう、『要塞警察』『ハロウィン』『ニューヨーク1997』『遊星からの物体X』『ゴースト・オブ・マーズ』などなど、どっからどう見てもジョン・カーペンター映画な演出や展開が続きます。

これだけのカーペンター祭を見たら僕の顔はほころぶ、ハズなのですが、この監督は画作りが下手なので、どうも好きになれません。特に人物のバストショットの安っぽさは、醜悪のヒトコトです。この監督の画作りが上手くなれば、もしくはジョン・カーペンターが監督してくれたら、このシリーズ好きになれるんだけどなぁ。
[ 2014/03/09 10:37 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)

『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊』

・『映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ペコと5人の探検隊
http://doraeiga.com/2014/

監督:八鍬新之介
脚本:清水東
出演:小林ゆう(ペコ)、坂本千夏(チッポ)、小栗旬(サベール隊長)、飯塚昭三(ダブランダー)



傑作でした。
鉄人兵団』リメイクは、オリジナルの欠点を修正しようとして良い部分まで削ってしまった感がありましたが、今回の『新大魔境』は変更の必要ナシと割り切ったのか、原作マンガに忠実な作り。それが見事に「吉」と出ていました。


原作マンガは、どの大長編でも多かれ少なかれ、以下の要素が入っています。

のび太とゲストキャラクターの友情(『大魔境』では、のび太とペコ)
胸躍る未知の世界の冒険(地球最後の秘境ヘビースモーカーズフォレスト)
すこしふしぎマインド(外地から隔絶されて犬が進化した世界)
現代社会への警鐘(戦争批判)
イイやつ化するジャイアン
トンチの効いたひみつ道具の使い方(先取り約束機)
幼心に性癖を植え付ける何か

大魔境』はF先生が初めて、これら大長編のツボを明確に掴み、フォーマットを確立した作品です。諸要素を無駄なく配置し、『恐竜』『開拓史』の前二作ほどシリアスにならず、才気走ったストーリーテリングでまとめあげています。


今回の映画『新大魔境』は、そんな見事な原作を壊さずストーリーを作り、水田ドラの正統派スタイルで丁寧に丁寧に演出しています。

特に序盤。冒険に至るまでの優しく繊細な、でも水田ドラのユーモアを忘れない演出はドラ映画の枠を超え、普通に映画として素晴らしかったです(日常を踏み超える一歩、という、あざとくも感動的な演出、大好き)。
以降の冒険パートも、描写の瑞々しさにワクワクしましたし、何度も泣かされました。幾度となく見た物語にも関わらず、こんなに新鮮な気持ちで向き合える。やはり、映画は物語ではなく演出と映像だと、とつくづく思います。


さて、水田ドラになってから映像面での最大の楽しみが、しずちゃんです。かかずゆみボイスと、丸っこいキャラデザが相まって、本当に可愛い。
前作は掃除機に服を吸い取られる、大変にエロいサービスシーンがありましたが、今回はキュアホワイトの如く、柔よく剛を制す美しいバトルを披露。実にりりしい、かっこいい姿を見せてくれます。俺、DVD出たら、このシーンのために見返すな、きっと。

ゲストキャラのペコは、小林ゆうが超絶イケメン声で演じております。バウワンコ王国に入ってからはスカートルックの衣装を身に着け、普通のイヌ状態(全裸)より遥かにキュートにトランスフォーム。間違いなくケモショタに目覚める子供が生まれる事でしょう。

芸能人声優では、小栗旬が素晴らしい悪役ボイスを披露。小栗旬以外はイマイチですが、芸能人声優使いがヘタなドラ映画の中では、割りと良い方です。


総じて、僕は旧映画版『大魔境』を超えた、と思いました。よほど今の声優陣に嫌悪感が無い限り、ドラ映画好きなら見て損のない出来です。



・『喜劇 一発大必勝』の倍賞千恵子、かわいい。藤田咲っぽい。

山田洋次監督作だけど、脚本の森崎東テイストが濃厚で、常に何かしら悪趣味な要素が存在している恐ろしい喜劇。肥溜めにハマって右往左往するシーンを物凄く端正なカメラワークで撮影する、という、山田洋次の狂ったバランス感覚も素晴らしかった。
[ 2014/03/10 20:41 ] 映画鑑賞記 | TB(0) | CM(0)
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Author:かりふら